研究倫理審査申請書の記入ガイド
1. 提出前の基本確認
・必ず最新版の申請書を使用する・申請書の赤字の説明に沿って記入する・申請書は別記様式1と別記様式2で構成される・必要に応じて別添資料を付ける・別添資料が複数ある場合は、資料ごとに番号を付け、本文中でどの資料を参照しているか明示する・提出前に、申請書と説明書、同意書、別添資料の内容が一致しているか確認する・最後に申請者による最終確認欄に必ずチェックを入れる
2. 別記様式1の記入ポイント
・共同研究者がいる場合は、役割を具体的に記載する・共同研究者とデータを共有する場合は、所属、職名、氏名、必要に応じて連絡先を同意書にも明記する・研究内容が指導教員や研究責任者の専門領域と異なる場合は、必要 な助言を受けられる体制を整える・特に身体的または精神的負担の可能性がある研究では、専門的な助言体制があることを示すのが望ましい
3. 別記様式2の記入ポイント
3.1 研究詳細
・実験や調査の目的を、研究の必要性が分かる形で簡潔に書く・研究方法は、対象者の募集方法、手順、作業内容、所要時間、休憩の有無まで具体的に書く・実験や調査の実施期間が長い場合は、その理由も書く・研究実施場所は、建物名だけでなく部屋番号まで書く・共同研究機関がある場合は機関名を記載する・利益相反の有無を正確に記載する・成果の公表方法を明記する・謝金がある場合は、金額、支払方法、条件を明記する
3.2 対象者への配慮
・説明書と同意書の使用有無を明確にする・収集する個人情報を具体的に記載する・要配慮個人情報を収集する場合は、収集の必要性と配慮方法を明記する・対象者が途中で参加をやめられることを説明する・回答したくない項目は回答しなくてよいことを説明する・匿名で収集する研究では、実施後の参加取り消しができないため、その点を明確にする・同意撤回時に収集済みデータを破棄することを明記する・保存方法、保存場所、保存期間を具体的に書く
4. 研究方法の書き方
・対象者の募集方法を具体的に書く・外部機関、学校、職場、教室などで募集する場合は、責任者の承諾を得ていることを申請書と同意書の両方に書く・調査会社を利用する場合は、その会社の個人情報の取扱いも記載する・所要時間が長い場合は、対象者の負担を考慮して休憩時間と休憩の取り方を書く・質問項目が多い場合は、対象者の負担が過大にならないよう配慮内容を書く・観察研究では、機関の責任者だけでなく参加者本人にも同意を得る・研究目的上、事前に目的を知らせられない場合は、ディセプションと事後説明の手続きを明記する
5. 実施の安全性
・研究によって体調不良やけがが起こりにくい方法を設計する・身体的または精神的負担の可能性がある場合は、申請書、説明書、同意書で事前に説明する・どの機器や刺激が、どのような負担や危険につながるかを具体的に書く・提示刺激については、内容、提示時間、提示方法、使用機器、画面サイズ、部屋の明るさなどを記載する・装置や機器を使う場合は、安全性が確保されている根拠を書く・過去に同じ装置を使った実績がある場合は、そのときの問題の有無も示す・安全に実施できる場所の条件を明記する・閉所などで実施する場合は、研究実施中に連絡が取れる体制を示す・緊急時の対応先を書く場合は、すぐに搬送できる現実的な場所を記載する
6. 録音や録画や写真の取扱い
・録音だけでなく録画が必要な場合は、録画が必要な理由を書く・録音や録画や写真が、記録用なのか、成果公表にも使うのかを明記する・何を記録するのかを具体的に書く・画面録画やアイトラッキングも録画データとして扱う・録音や録画データを匿名化する場合は、どのような加工を行うかを書く・匿名化せずに公表する必要がある場合は、その必要性を説明し、事前に同意を得る・表情など個人が識別されやすい映像を扱う場合は、公表方法を具体的に説明する・周囲に第三者がいる場所で録音や録画する場合は、事前周知や当日の掲示などの対応を書く・集団を対象に録音や録画する場合は、同意しない人がいたときの扱いを事前に決めて記載する
7. 同意書の作成ポイント
・研究責任者名を明記する・共同研究者の所属、氏名、必要に応じて連絡先を明記する・同意書の宛名は系長ではなく実施責任者とする・研究の目的、方法、収集データ、個人情報保護、成果公表を分かりやすく説明する・作業内容、作業時間、休憩時間を書く・研究目的以外にデータを使わないことを明記する・同意書に記載した関係者以外と共有しないことを明記する・同意撤回時は収集済みデータを破棄することを明記する・録音や録画の可否は、同意書内で個別に確認する・録音や録画に同意しない場合の代替記録方法も明記する・オンライン提出の場合は、安全な提出方法を設定する・追加調査や二次利用の可能性がある場合は、最初に説明して同意を得る・後日撤回できることも説明する・研究参加に移動を伴う場合は、移動中の事故などに関する説明も入れる・同意書をいつ、どこで、どのように提出するかを書く
8. 未成年者や配慮が必要な対象者
・18歳未満を対象とする場合は、原則として保護者などの代諾を検討する・16歳未満で本人判断のみとするのは難しい・16歳以上18歳未満で本人判断のみとする場合は、研究内容を十分理解できる根拠を書く・その場合でも、負担がなく、個人情報公開の心配がない設計であることが前提となる・年齢確認が必要な場合は、同意欄より前に年齢記入欄を設ける・障がいのある人を対象とする場合は、同意取得方法や実施上の配慮を具体的に書く・ 立会人による代筆や読み上げ支援を行う場合は、その方法と守秘への配慮を書く・要配慮個人情報を含む研究では、集団実施が適切か慎重に判断する
9. 個人情報とデータ保存
・収集する個人情報の種類を漏れなく記載する・性別が実質的に分かる研究設計であれば、その情報も個人情報として扱う・録音や録画データも個人情報として記載する・紙媒体を扱う場合は、鍵のかかる場所での保管方法を書く・電子データは、保存先、保存方法、アクセスできる人を明記する・オンラインストレージを使う場合は、名称を具体的に書く・オンラインで収集したデータを保存先へ移す過程の安全性にも触れる・保存場所は部屋名まで記載する・オープンアクセスのレポジトリに置く場合は、個人を特定できない加工方法を具体的に書く
10. よくある不一致と見落とし
・申請書に書いた収集データが、同意書に反映されていない・録音や録画や写真撮影の記載が、申請書と同意書で一致していない・途中辞退や同意撤回に関する説明が、申請書と同意書で一致していない・回答したくない項目を飛ばせるという説明が、同意書に入っていない・匿名調査なのに、実施後の参加取 り消し可にしている・強制回答設定なのに、回答しなくてよいとしている・休憩時間や連絡先の記載が抜けている・保存方法が抽象的で、具体的な場所や方法が書かれていない・利益相反なしなのに、関連項目のチェックが矛盾している
11. 生成AIを使う場合
・インタビュー音声の文字起こしに生成AIを使う場合は、その方法を申請書と説明書と同意書に書く・個人情報を含まないデータに限定する・ウェブ上ではなく、ローカル環境やPC内で処理することが望ましい・学習に利用されない設定で使う・要配慮個人情報を含むデータは、特に慎重に扱う
12. 提出後
・追加提出書類がなければ、通常は提出後まもなく結果が通知される・承認であれば研究実施が可能・条件付承認であれば、指摘事項を修正した申請書と付属資料一式を再提出する・研究内容に変更が生じた場合は、変更願を提出する